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コンサルタントは何をする仕事?種類・年収・なり方をわかりやすく解説

みらいの学び
公開日:2025年12月3日 更新日:2025年12月3日
コンサルタントは何をする仕事?種類・年収・なり方をわかりやすく解説

コンサルタントは企業や人々が抱えるさまざまな問題を解決する、とても重要な仕事です。

この記事では、コンサルタントが何をする仕事なのか、どんな種類があるのか、年収やなり方まで、小学生のお子さんにも説明できるようわかりやすく解説します。

もくじ

    コンサルタントは会社や人の「困った」を解決する仕事

    コンサルタントとは個人またはチームで「会社や人が抱える問題を一緒に考えて、解決策を提案する専門家」です。
    学校で友だちが困っているときに「こうしたらどう?」とアドバイスをする係のような人です。
    コンサルタントが相手にするのは、個人だけではありません。
    大きな会社、小さなお店、病院、学校など、さまざまな組織が「もっと良くなりたい」「この問題を何とかしたい」と思ったときに、コンサルタントに相談します。

    課題を見つけて考える

    コンサルタントの最初の仕事は「本当の困りごとは何か?」を見つけることです。

    たとえば、お店の売上が下がっているとき。
    その原因は商品の値段なのか、お店の場所なのか、それとも接客方法なのか、表面的な問題の奥に隠れている本当の原因を探り出します。
    これは、探偵のような仕事ともいえます。
    お客様から話を聞き、データを集め、現場を観察しながら「なぜうまくいかないのか?」を丁寧に整理していきます。
    原因がわからなければ、正しい解決策も見つかりません。だからこそ、この「課題を見つける力」がコンサルタントには欠かせないのです。

    お客様の未来をつくる

    コンサルタントの役割は、今ある問題を解決するだけにとどまりません。
    お客様がこれから先、もっと良い方向に進めるように道筋を示すことも大切な仕事です。
    たとえば、売上が下がっている会社に対して、単に「広告を増やしましょう」と提案するだけでは不十分です。
    「3年後にどんな会社になりたいか?」「どんなお客様に喜んでもらいたいか?」といった未来を一緒に描き、そこへ向かうための戦略を考えます。
    コンサルタントは、お客様の「未来の設計図」を一緒につくるパートナーなのです。

    コンサルタントは何をする仕事?仕事の流れを見てみよう

    コンサルタントが実際にどのような流れで仕事を進めているのか、具体的に見ていきましょう。
    大きく分けると「聞く→考える→伝える」という3つのステップで進みます。

    なぜ困っているのか、くわしく話を聞く

    まず最初に行うのは、お客様へのヒアリング(聞き取り)です。
    「どんなことに困っているのか」「いつから問題が起きているのか」「どんな気持ちなのか」など、丁寧に話を聞いていきます。

    ここで大切なのは、表面的な話だけでなく、その奥にある本当の原因を見つけることです
    たとえば「社員がやる気を出してくれない」という悩みの裏には「評価の仕組みが不公平」「仕事の目的が伝わっていない」といった別の問題が隠れているかもしれません。
    コンサルタントは、探偵が事件を解決するために聞き取り調査をするように、じっくりと話を聞き、本当の課題を見極めます。

    データやみんなの意見を集めて考える

    次に、集めた情報をもとに解決策を考えます。
    このとき、話を聞いた内容だけでなく、数字のデータや業界の動き、社員やお客さんの意見なども集めて分析します。

    たとえば「お店の売上を上げたい」という相談なら、どの商品がよく売れているのか、どの時間帯にお客様が多いのか、ライバル店はどんな工夫をしているのか。
    さまざまな角度から情報を集め、どうしたらもっと良くなるか仕事によってはチーム全体で話し合います。
    コンサルタントは一人で考えるだけでなく、時には仲間と協力しながらアイデアを出し合い、最適な戦略を練り上げていくのです。

    やることの形を決めてわかりやすく伝える

    考えた解決策は、ただのアイデアのままでは意味がありません。
    それを「誰が、いつ、何をするのか」という具体的な行動計画に落とし込み、お客様にわかりやすく伝える必要があります。
    この段階では、図やグラフ、スライドなど資料を使って、専門用語をなるべく使わずに説明します。
    お客様が「これならできそう!」と思えるように、行動しやすい形に整理することが大切です。

    また、提案した後も、実際に行動に移すサポートをしたり、結果を見て改善策を考えたりと、一緒に行動しながら支援を続ける場合もあります。

    1日の仕事のスケジュール

    コンサルタントのある1日は、午前中はお客様の会社を訪問して会議に参加し、午後は自分の会社に戻ってデータ分析や資料作成、夕方にはチームでミーティングを行う。
    このように、1日の中でさまざまな業務をこなします。
    プロジェクトによっては出張もあり、別の都市や国に行くこともあります。
    また、お客様の業種や規模によって、毎日違う課題に向き合うため、飽きることがない刺激的な仕事とも言えます。

    コンサルタントにもいろんな種類がある!専門分野と年収の違い

    「コンサルタント」と一口に言っても、実はさまざまな種類があります。
    それぞれ専門とする分野が異なり、解決する問題も、必要な知識も違います。

    戦略・IT・人事・金融など、専門分野によってちがう仕事

    コンサルタントは、大きく分けて以下のような種類があります。

    • 戦略コンサルタント:会社全体の方向性や事業計画を考える仕事です。「新しい事業を始めたい」「海外に進出したい」といった経営の重要な判断をサポートします。
    • ITコンサルタント:システムやデジタル技術を使って、業務を効率化する仕事です。「紙の作業をパソコンで管理したい」「アプリを使って売上を伸ばしたい」といった相談に応えます。
    • 人事コンサルタント:社員の採用や教育、評価の仕組みづくりを支援します。「良い人材を集めたい」「社員が働きやすい環境をつくりたい」といったテーマを扱います。
    • 金融コンサルタント:お金の流れや投資に関するアドバイスをします。「無駄なコストを減らしたい」「資金調達の方法を知りたい」といった相談が中心です。


    このほかにも、医療、教育、環境など、特定の業界に特化したコンサルタントもいます。

    分野や経験によって変わる年収

    コンサルタントの年収は、専門分野や経験年数によって大きく異なります。
    令和6年賃金構造基本統計調査」によると、コンサルタントを含む「その他の経営・金融・保険専門職業従事者」の平均年収は、約903万円でした。
    一般的に、コンサルタントとして新卒で入社した場合は年収400万〜600万円程度からスタートし、経験を積んでマネージャークラスになると800万〜1,200万円となり、中には2,000万円を超える役職もあるようです。

    特に、戦略コンサルタントや外資系のコンサルティングファーム(経営戦略、IT導入、組織改革、業績改善など、企業が抱える幅広い課題に対して専門的なアドバイスやサポートを行う企業のこと)は年収が高い傾向にあります。

    一方で、中小企業向けのコンサルタントやフリーランスの場合は、案件の内容や実績によって収入が変動します。
    高収入が期待できる一方で、責任も大きく、長時間労働になる場合もあるため、やりがいと働き方のバランスを考えることが大切です。

    小学生から伸ばせるコンサルタントに必要な資質

    コンサルタントに向いているのは、どのような人でしょうか?コンサルタントには特別な能力は必要ありません。
    日頃の心がけや習慣で育てられる資質が多くあります。ここでは、小学生のうちから伸ばしておきたい3つの資質をご紹介します。

    原因を見つけるための深く考える力

    コンサルタントに最も必要なのは「なぜ?」と問い続ける力です。
    目の前の問題に対して、表面的な答えで満足せず「本当の原因は何だろう」と深く掘り下げて考える習慣が大切です。

    たとえば「テストの点数が下がった」場合。
    「勉強時間が足りなかったから」で終わらせず「なぜ勉強時間が減ったのか?」「どの科目が苦手なのか?」とさらに考えることで、本当の解決策が見えてきます。
    このような「原因を見つけるための深く考える力」は、日常の会話や読書、ゲームの攻略などを通じて、楽しみながら鍛えることができます。

    相手の様子を理解して話す力・聞く力

    コンサルタントは、お客様の話をじっくり聞き、相手の気持ちや状況を理解することが求められます。

    また、自分の考えを相手にわかりやすく伝える力も欠かせません。
    これらの能力は、人と接する中で自然に育まれます。
    家族との会話や友だちとの遊び、学校での発表など、日常のあらゆる場面が練習の機会にもなります。
    特に「相手の立場になって考える」姿勢は、小学生のうちから意識することで、大人になったときに大きな強みになってくれるでしょう。
    どうして相手はそのように考えたのだろう、どうしてそう行動したのだろうと保護者がお子さまに尋ねることで、自分以外の視点から物事を考える癖を身につけられます。

    新しい発見を楽しみに変える姿勢と好奇心

    コンサルタントは、毎回違う業界や企業と関わる場合もあるため、常に新しいことを学び続ける必要があります。
    そのため「知らないことを楽しめる」好奇心が大切です。

    「これはどうなっているんだろう?」「もっと知りたい!」と思う気持ちが、学びの原動力になります。
    読書や博物館、旅行、習い事など、さまざまな体験を通じて、幅広い興味を育てていきましょう。

    また、新しい発見を楽しみに変える姿勢も重要です。予想していなかったことや、初めてのことが起こると、不安になったり、戸惑ったりすることは誰にでもあります。

    しかし、そこで立ち止まるのではなく「これは成長のチャンスかもしれない」と前向きに受け止められると、次につながる学びが生まれます。
    身近なところでは、うまくいかなかった時に「次はどうすればよいかな?」と考えてみる、初めてのことに挑戦してみる、苦手な分野にも少し手を伸ばしてみるといった経験が、将来「未知のことを楽しむ力」につながっていきます。

    子どものやる気を出したり、体験を促したりするには、保護者の声かけがとても大切です。
    この記事では、子どもが考える嬉しい言葉やいやな言葉を解説しています。
    成功場面と失敗場面でかけられて嬉しい言葉も紹介していますので、参考にしてみてください。
    知っておきたい! 子どものやる気をグングン伸ばす「言葉がけ」とは!

    人間関係力や好奇心などコンサルタントに必要な能力を身につけるには、直接体験が有効です。
    直接経験とは何か、得られる能力などを解説した記事はこちら!
    直接体験で生きる力を身につけよう!体験が大切な理由とおすすめの体験を詳しく解説!

    コンサルタントになるには?必要な学びと経験

    実際にコンサルタントになるには、どのような道を歩めば良いのでしょうか。
    一般的な進路と、役立つ資格や働き方についてご紹介します。

    大学で学んでから目指す人が多い

    コンサルタントになる人の多くは、大学を卒業してからコンサルティングファームに就職します。
    学部は経済学部や経営学部、法学部などが多いですが、理系出身者も増えているようです。
    特にITコンサルタントは、情報工学やデータサイエンスを学んだ人が活躍しています。

    また、大学院でMBA(経営学修士)を取得してから、コンサルティング業界に入る人も。
    MBAでは、経営戦略や財務、マーケティングなど、コンサルタントに必要な知識を体系的に学びます。
    学歴だけでなく、論理的思考力やコミュニケーション能力、問題解決力なども重視されるため、大学時代にゼミやインターンシップ、課外活動などで実践的な経験を積むことも大切です。

    コンサルタントに役立つ資格

    コンサルタントになるために必須の資格はありませんが、取得しておくと有利な資格はいくつかあります。
    資格をまとめた表は以下のとおりです。

    (編集部作成)

    • 中小企業診断士:日本で唯一の経営コンサルタント国家資格です。経営に関する幅広い知識が求められ、中小企業向けのコンサルティングで特に役立ちます。
    • MBA(経営学修士):海外のビジネススクールや国内の大学院で取得できます。戦略的思考や経営の実践的スキルを学べるため、キャリアアップに有効です。
    • 公認会計士・税理士:財務や会計に関する専門知識があると、金融コンサルタントとして活躍しやすくなります。
    • ITパスポート・情報処理技術者試験ITコンサルタントを目指すなら、これらの資格が基礎知識の証明になります。


    資格はあくまで+αの武器です。経験や人との接し方やコミュニケーション能力なども同じくらい重要視されます。

    フリーランス・独立コンサルタントとして活躍する道もある

    近年は、会社に所属せず、フリーランスや独立コンサルタントとして働く人も増えています。
    自分の専門分野を活かして、複数の企業と契約し、柔軟な働き方を実現する道です。

    独立するには、まずコンサルティングファームや事業会社で実務経験を積み、専門性と人脈を築くことが一般的です。
    その後、自分のスキルや実績を武器に独立します。
    独立コンサルタントは、収入や働き方を自分でコントロールできる反面、案件の獲得や信頼の構築は自己責任です。
    自分の力で社会に貢献できるやりがいは、何にも代えがたいものがありそうですね。

    親子で読める!コンサルタントの力が身につく本3選

    コンサルタントに必要な「考える力」や「問題解決力」は、読書を通じて楽しく育てることができます。
    小学生から読める、おすすめの本を3冊ご紹介します。
    親子で一緒に読んで、考える楽しさを共有してみてください。

    小学生からはじめる考える力が身につく本―ロジカルシンキング―

    論理的に考える力、いわゆる「ロジカルシンキング」は、コンサルタントの基本スキルです。
    小学生からはじめる考える力が身につく本-ロジカルシンキング-では、小学生にもわかりやすく、物事を順序立てて考える方法が学べます。
    クイズや図を使った説明が豊富で、遊び感覚で読み進められるのが魅力です。
    「なぜ?」「どうして?」と問いかける習慣が自然に身につきます。
    小学生からはじめる考える力が身につく本ーロジカルシンキングー

    10歳からの地頭を育てる問題集

    10歳からの地頭を育てる問題集は、算数や国語だけでなく、日常生活で出会うさまざまな課題を解決する力を育てます。
    「お小遣いをどう使うか」「友だちとケンカしたときどうするか」など、実践的なテーマが扱われています。
    答えが一つではない問題に取り組むことで、柔軟な思考力と判断力が養われます。
    コンサルタントに必要な「現実の問題を解決する力」を、遊びながら学べる一冊です。
    10歳からの地頭を育てる問題集

    Z会小学生のための思考力ひろがるワーク

    Z会が出版する小学生のための思考力ひろがるワークは、思考力を段階的に伸ばすように設計されています。
    パズルや図形問題、文章題など、多様な問題を通じて、考える楽しさを体験できます。
    学年別に分かれているので、お子さんのレベルに合わせて選べるのもポイントです。
    毎日少しずつ取り組むことで、考える習慣が自然と身につきます。
    小学生のための思考力ひろがるワーク

    論理的思考を身につけるには、プログラミングも有効です。家庭でもできるプログラミング学習についての記事はこちら。
    小学生からプログラミング学習をおすすめする理由とは?効果的な家庭学習をサポートする教材も一挙紹介!

    子どもにおすすめのプログラミング教材6選!特徴や選び方もチェック

    コンサルタントは何をする仕事?考える力で未来をつくる

    コンサルタントは、企業や人々が抱える問題を見つけ、解決策を考え、より良い未来をつくるサポートをする仕事です。
    お子さまが「なぜ?」と疑問を持ったとき、一緒に考えてみる。
    困っている人を見たとき、「どうしたら助けられるかな?」と話し合う。
    そんな小さな積み重ねが、将来の可能性を広げたり、よりよく生きる力を身につけられたりするきっかけになるかもしれません。

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